インフルエンザ情報

ひとたび流行すれば大量の感染者が発生するインフルエンザ。
甘くみず・恐れず正しい知識を身につけましょう!

インフルエンザとは…

インフルエンザウイルスの感染によっておこる病気がインフルエンザです。主症状には、高熱(38度~40度)や頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状と、のどの痛み、咳や痰などの呼吸器の急性炎症症状がみられます。
インフルエンザは通常のかぜと比べ、症状が重く、全身症状も顕著に現れます。そのため、高齢者では肺炎を併発したり、持病を悪化させたりして重症になり、最悪の場合は死に至ることもあります
また、潜伏期間が短く感染力が強いことも特徴で、毎年、流行期の12月下旬から3月上旬にかけては多くの方がインフルエンザにかかっています。市販のかぜ薬では効果がありません

インフルエンザの種類

インフルエンザウイルスは大きく分けて、A型・B型・C型の3種類があります。
このうちヒトの世界で流行を起こし問題となるのは、A型とB型です。ただし、A型ウイルスは表面構造の違いによりさらに何種類かに分類されます。 現在は、H1N1 Pandemic 2009 とA/H3N2(香港)型ウイルス、及びB型ウイルスの3種類が流行しています。また、以前から話題になっている鳥インフルエンザですが、今のところ人から人への感染をおこすウイルスは報告されていません。

インフルエンザの予防

  1. 予防接種を受ける。
  2. 流行時には人ごみを避ける。(外出時はマスクを着用する)
  3. うがい・手洗いをこまめに行う。
  4. 室内の湿度の調整(湿度60%~70%)と定期的な換気を行う。
  5. 十分な睡眠・バランスの良い食事をとる。

インフルエンザの合併症 高齢者や幼児は特に注意!

死亡原因にもなる合併症には以下のものがあります。

  • 肺炎…高齢者や呼吸器系、心臓に持病がある方が併発しやすい。
  • ライ症候群…アスピリンなどの解熱剤との関連が指摘されています。
  • 脳症…乳幼児が併発しやすい。毎年、数百人ぐらいの方が発病しています。

脳症について

症状としては、異常行動・意識がはっきりせずウトウトしている・けいれん発作などです。このような場合は、すぐに医療機関で受診してください。
一部の解熱剤では脳症を引き起こす恐れがあります。自己判断で市販の解熱際を使用するのは控えてください。必ず医師や薬剤師に相談してください

インフルエンザについて

Q1.インフルエンザワクチンはいつごろ接種するのが効果的ですか?

A1.個人差はありますが、抵抗力がつくまでに接種から2週間程度かかり、効果は約5ヶ月持続します。インフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬ですので、12月上旬までには接種をすまされることをお勧めいたします。

Q2.インフルエンザワクチンの接種は効果ありますか?

A2.年齢・体調・インフルエンザの流行株と、接種したワクチンに含まれている株(A型株2種・B型株2種の4価ワクチン)が合っているかどうかによっても変わります。
成人の発病阻止率は70%で、小児はさらに低くなります。接種を行うことで、インフルエンザにかかったとしても重くならないようにすることが目的だとご理解ください。

2015年度シーズンから、B型1種類を新たに加えた4種類のウイルス株が含まれたインフルエンザワクチンに変更となりました。

◆A型株…H1N1 Pandemic/A香港
◆B型株…山形系統/ビクトリア系統

Q3.同じタイプのインフルエンザに、もう一度かかる可能性はありますか?

A3.可能性はあります。インフルエンザウイルスは、突発変異を起こしやすいウイルスです。
毎年流行を繰り返すたびに突然変異を起こして、少しずつ違った性質のウイルスになります。特にA型は変異を起こしやすいといわれています。
そのため、以前かかったインフルエンザと同じタイプのインフルエンザにもう一度かかる可能性があります。また、A型とB型が同時にみられる報告もあります。

Q4.インフルエンザにかかった人の部屋や衣類はどのようにしたらいいですか?

A4.インフルエンザにかかっているときに着用した衣服には、ウイルスが付着していることが予想されますが、衣服からの感染はまれだと考えられています。洗濯機で洗濯後は、天日干しをする、あるいはアイロンがけや乾燥機をおすすめしています。

小さなお子さまのいる方へ…『インフルエンザかな?』と疑った時の判断誤り

×高熱がでたので、子どもにアスピリン入りの解熱剤や市販のかぜ薬を飲ませた

急性脳症を引き起こす可能性があります。解熱剤には、脳症の状態を悪化させるものがあるので使用時は、必ず医師に相談しましょう。市販のかぜ薬は、熱・咳・鼻水などの症状を抑える薬で、インフルエンザに直接の効果はありません。

×こどもが突然吐いたけど寝かせていた

お子さんがお茶やジュースなどを飲んですぐに吐いてしまったり、けいれんを起こしたときはすぐに病院へ行きましょう。脳症の合併症の可能性があります。

×病院でもらった抗生物質が残っていたのでとりあえず飲ませた

抗生物質は細菌に効果のある薬です。ウイルスには効きません。

インフルエンザは、普通のかぜとは異なる注意が必要です。予防を行い、症状がでた場合は早めに受診しましょう。

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